篠笛という楽器

篠笛(しのぶえ)は、篠竹という竹を用いた日本の横笛です。

つ出来たかはよくわかっていませんが、江戸時代より前からある横笛です。

篠笛は尺八やフルートと同じく、うまく息が当たるように口の形を工夫し、息の量や速度をコントロールして吹きます。リコーダーのように加えて息を入れるのではないので、コツがわかるまでは音が不安定になります。

内側は朱(赤)の漆、外側に両端を籐(とう)で巻いてあるものが一般的ですが、写真ように黒の漆塗りで仕上げたものもあります。装飾に決まりはありませんが、衣装とのバランスが悪くならない方が無難です。

音階に準じて笛を持ち替えます。一本調子は長い笛、短いものになると十三本調子という呼び方をします。音階をフルカバーするには三本調子から十本調子が必要で、曲のレパートリーが増えると自然と所有する笛が増えます。写真の笛は比較的吹きやすく、最もよく使用する六本調子の篠笛で、長さがわかるように頭部に数字が書かれています。

篠笛の音域は約2オクターブ半、一般的な歌謡曲の音域くらいで、フルートに比べ少し狭いです。

祭礼音楽(お祭り)では音階を意識するで必要がないので、古来からある古典調(囃子用)を用いるのが一般的です。近年は他のメロディー楽器の伴奏に合わせる、合奏するために「唄用」「ドレミ調」と呼ばれる調律された篠笛があります。三味線や箏といった邦楽との合奏には唄用を用います。ドレミ調は唄用に比べ補正が強くかかるため音程がはずれにくく、ピアノやギターなど洋楽器の伴奏に合わせて演奏する時は唄用より安定感が増します。

私が邦楽の演奏者だからかもしれませんが、古典調はお祭り意外に応用ができないこと、ドレミ調は補正が強く唄用に比べ篠笛らしさが出にくいと感じています。ご興味を持たれた音楽が何であるかで選ぶ篠笛も異なりますので、まずはいろいろな奏者の音を聞いて、ご自身にあった篠笛、教室を見つけて下さればと思います。

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