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篠笛のこと1 篠笛初心者が誤解しないための基礎知識

このタイトルは何度か挑戦しているのですが、プロの演奏者になって20年、生徒に篠笛を教える様になったのももうすぐ20年、この節目に篠笛の本質について今一度書いてみようと思います。

 

篠笛(しのぶえ)は篠竹という竹を用いた日本の横笛です。フルートの様に1本でいろんな音階をこなすのではなく、長さの異なる笛を楽器ごと変えて音階に対応します。長いものから1本調子、2本調子というように「◯本調子」という表記がされています。

大きくは音程を調律したものとそうでないものがあります。調律を施したものはそうでないものにくらべ比較的高価です。

製品として販売されいる多くの篠笛は内径に塗料が塗ってあり、高価なものは本漆が塗ってあります。塗料によって音色は変わります。外径の装飾は、唄口の部分に影響がなければほとんど変わりませんが、演奏者の手応えは変わります。

音色の決めるのはあくまで「形状」です。

塗料を塗ることによって得られる滑らかさと、経年劣化によって竹と塗料の間にできる僅かな隙間、変形、割れ等が音色に影響しますが、これはすべて形状の変化によるものです。楽器は壊れかけが一番良い音が鳴るもので、篠笛もほどよく壊れてゆく、大切に壊してゆくことで良い音になってゆく、そんな印象を受けます。

調律していないものは通称お祭りの笛で、祭り用、囃子用と呼ばれ、今でも全国各地の祭礼音楽で使われています。祭礼音楽は「指穴を等間隔にあけた篠笛から出せる音階」が基本になっていることがほとんどです。それはつまり、ほとんどが洋音階とは少し違うということです。

相当無理をすれば洋音階に近づけられますが、今から約70年前それを簡便化するため、各指穴の大きさを変えることで調律を施した笛が考案され、現在の唄用やドレミ調と呼ばれる調律笛の基になりました。ちなみに現在の一般的なベーム式フルートは約130年前です。フルートが先ですが、世界的に横笛の調律を意識したのは割と近年であることに違いはありません。

篠笛は現代フルートとは違い穴を開けただけの構造のままですので、現代フルートと同じ奏法で吹けるところまでの調律はできません。要するに、音色と音程の意識がフルートよりも必要ということです。

指穴の大きさだけではなく、指穴の間隔を不均一にしたり、内径に工夫を施すことなどあらゆる方法で近づけることは出来ますが、竹が持つ本来の形を崩すことは、竹が持つ音色を崩すこと、音色と音程のバランスは妥協しかなく、このことから、この部分は演奏者がメリカリを用いて工夫する必要があります。一見難しそうですが、これはやってみると結構楽しいです。

篠笛は、そうやって響きを確かめながら音を作る楽器です。しっかり吹けて、指を操作するだけではなく、自分の思う音になっているのかを気をつけながら吹く楽器です。そのために「音感」が身につくこと、、、、。

一気に書き上げようと思いましたが疲れました。

次回はその「音感」について書いてみたいと思います。

長文お読みいただきありがとうございます。