篠笛が吹けるようになるために

 

1 手元にあること

はじめてみたいと思ったキッカケは人それぞれかと思いますが、まずは篠笛を手に入れることが必要です。

お祭りの笛ではなく、その他の曲(和洋問わず)を演奏したい場合、最初は「六本調子の唄用」と呼ばれる篠笛がもっとも扱いやすく、ご購入される方がもっとも多いです。「調子」とは、笛の長さを表す単位で、数字が小さくなると長くなり、大きくなると短くなります。六本調子の笛は約45センチほど、一般的なビジネスカバンから少し出る長さです。

篠笛を購入する場合はプラスチック製が最も廉価です。竹製でもプラスチック製に迫る価格の品もございますが、「やってみないとわからない」と思われるならば、個人的にはプラスチック製が良いと思います。

篠笛の材料となる篠竹は天然の素材ですから、1つとして同一のものは無く、吹きやすい篠笛は必ず手作業で調律されています。また楽器は吹けば吹くほど育つものです。ご予算が許す限りではございますが、最初からハンドメイドの竹製を購入されるのが良いと思います。

2 音を聞く・譜面を読む

同じ曲でも奏者によって様々、いろいろな演奏を聞いてみることは上達の早道です。

同じ曲でも奏者によって印象は大きく異なります。実際に音を聞くと「思っていた音と違う」と思われる方は多いかと思いますが、篠笛にはいろいろな奏法があり、演奏される音楽も様々、そのようになるのは、篠笛を演奏される方々が基礎とする音楽もまた様々であるからです。

「こんな風に吹きたい」という演奏に巡り会えたらきっと楽しくなることと思います。いろいろな「音」が聞けるようにし、録音して自分の音も聞きましょう。

また、いつかは自分で譜面が書けるようになれたら良いと思います。そのためにまず譜面を読めるようにしましょう。

篠笛にはいろいろな記譜の方法がありますが、その多くは数字譜です。私は五線譜で書かれている楽譜でも、音符の上に数字を付け加えています。篠笛は調によって使い分けをするため、調に関係なく運指(ポジション)がわかる数字譜を読めた方が早く演奏できるようになると思います。

3 習うほうが良い

YouTubeなどの無料映像配信サイトで篠笛の音を聞いてみると、多くは奏者の得てきた知識や経験を「応用」して演奏している曲がほとんどです。

具体的にはクラシックやジャズ、ポップス、歌謡曲など、本来篠笛を必要としない曲です。もしそれらが篠笛らしく良く聞こえたならば、それは演奏する奏者の技術が優れているいるからです。聞いたことがある親しみのある曲を篠笛らしく演奏できるのは、「音楽の基礎」が何らか身についているからで、初心者が簡単に演奏できるわけではありません。

曲を良くするのも悪くするのも奏者の解釈次第、知識や経験が浅い段階で良し悪しを判断することは単なる「好み」であって、演奏者としては音楽の幅を狭めるだけで上達の妨げにしかなりません。

篠笛のような和楽器は、教わらないと実感できない部分が多いものです。私はプロの演奏者・指導者になってかなり経ちますが、和楽器である篠笛は独学ではなかなか上達に結びつかない部類に入るのではないかと思います。

篠笛は、習って見たいと思っても先生がどのジャンルで何を教えてくれるのか、また実力等がどの程度かということはホームページだけでは判断が難しいようです。良い先生に継続し習うのはそれなりの金額がかかりますが、大抵は体験ができますしご継続にかかる費用についても説明があると思います。説明が無くともご質問いただけたら答えてくれるはずです。

4 向いていない人

「向いていない」とまで言及する必要はありませんが、どの楽器にも「姿勢」は大切です。

人は自らの至らなさを気をつけることで成長するものと思いますが、年を重ねるにつれて、今までそうし続けてきたことを忘れがちになってゆく気が致します。気をつけない日常が続く、それは「気づけなくなっている」ということかもしれません。

篠笛の上達もまた「気をつける」ことからだと思います。

吹く間姿勢を保てるようになること、旋律(メロディー)に抑揚を持たせることが出来るようになれば楽しく篠笛を吹けるようになりますが、態度や言葉使いを気をつけられない方には上達しない多いのも事実です。

向いていないかもしれない、それくらいの心づもりがちょうど良いのかもしれません。

5 最後に

篠笛を始めたいと思う方々のほとんどは、本格的に音楽を演奏しようというのではなく、最初は軽い気持ちからではないかと思います。

確かに篠笛は手軽に始められる楽器です。しかし楽器の価値は金額だけでは決まりませんし、音楽の価値も同様です。

篠笛には篠笛にしか表現できない音楽があり、世界で最も高額なバイオリンと比べても遜色ない音や表現を持っていると言っても過言ではありません。それは日本文化を良いものだと思える人にしかわからないものなのですが、少なくとも篠笛に魅力を感じられたならば、日本文化がすばらしいもので、外国の文化より劣っているものではないということはご理解いただきたいと思います。

篠笛を通じて日本文化の良さがわかる、わかりたいと思っていただける方が増えることをいつも願っています。

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