良い篠笛とは

篠笛とは

「篠竹(しのだけ)」という、竹の中では細く、1節が長い竹から出来た横笛、要するに竹笛です。

「唄口(うたくち)」と呼ばれている吹くための穴と、7つ、あるいは6つ、指を押さえる穴を開け、唄口のところに詰め物をしたら、とりあえず音が鳴るようになります。1節が直径約2センチ、長さが50センチ弱の竹材があり、キリと小刀さえあれば、とりあえずここまでは誰でも作れる簡単な構造の楽器です。

製品として売られている篠笛のほとんどは、管内に漆(うるし)が塗ってあります。より音色が整い、カビ防止になります。また外側に装飾と、割れ防止として「籐(とう)」を巻いてあるものや、全体に漆でコーティングしてあるものがあります。。これらは、より割れにくく作られてると考えて良いと思います。

廉価版の篠笛は、漆の変わりにカシューと呼ばれる合成漆や、更に廉価なものには、害は無いと思いますが成分の良く分からない塗料が使われています。塗料が異なると音色も異なります。経験では、経年変化により音色が良くなるのは、本漆のものが一番です。

篠竹は自然素材のため一つとして同じ形状のものが無いため、工業製品のようには同一に作る事が難しく、人の手によって微調整をする必要があります。吹き方、音色、音程の考え方は皆少しずつ異なるため、製作者によって音色の特徴が異なります。

篠笛にはどのジャンルにも対応する笛というのがありません。多くの初心者が最適な篠笛に選ぶためには、まず最初に自分がどのような音楽を篠笛で演奏したいのかが重要です。

大きくは、「囃子用(はやしよう)」と「唄用(うたよう)」に分かれます。

「囃子用」

篠笛の中で最も歴史のある形、いわゆる「お祭りの笛」です。です。特徴は、穴の大きさと間隔が均等(厳密には左手で押さえる穴と、右手で押さえる穴が均等)に並んでいます。囃子用は独特の音階になっており、お祭りの曲以外を演奏するには不向きです。逆に申せば、お祭りの曲を演奏するためには後述の「唄用」は不向きということです。

「唄用」

太平洋戦争以前、昭和15年ごろと推測されますが、五代目福原百之助氏が発案し、戦後六代目福原百之助師が実用化した篠笛が「唄用」という調律笛です。

それまで歌舞伎において笛方はお祭りの場面でそのまま「お祭り」を演奏するなど、唄や三味線の音程に合わせることはありませんでしたが、明治から始まった洋楽教育の影響で、笛も唄や三味線の調子に合わせて演奏したいと思うようになったのだと思います。

この唄用は、指穴の大きさを変える事によって洋音階に近づきましたが、現在では指穴の間隔を工夫することにより洋音階(平均律)に近づけようとした篠笛も多く見られるようになりました。

「良い篠笛とは」

プロ奏者の私にとって、音程の良し悪しは多くの皆様が思うほど重要なことではなく、正直で、使いやすい笛を好みます。一番大切なことはその笛が持つ音色です。

篠笛にご興味を持った方々に勘違いいただきたくないことは、人と同じく篠笛も、見た目や機能ではなく、愛着が湧くまで関わってみようと思えるかどうかだと思います。

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